スパコンの中のクォーク-素粒子から原子核をつくる

2015.11.12 京都大学基礎物理学研究所 青木慎也 教授

Aoki

原子核は陽子や中性子で構成されており、電磁気力だけを考えると陽子同士の斥力で一塊にはなりません。それをつなぎとめているのが「核力」です。核力は長い間正体がわかっていませんでしたが、スーパーコンピュータを使った大規模シミュレーション「格子QCD」で、解明の糸口が見えてきました。
京都大学の青木愼也教授、理化学研究所の初田哲男主任研究員、大阪大学の石井理修准教授らは、素粒子物理学、原子核物理学、計算科学の知恵を持ち寄り、「核力とは何か」という難題に取り組んでいます。大規模シミュレーションにより初めて核力を示した研究成果は、2012年度仁科記念賞を受賞するなど高い評価を得ています。
この研究は、計算科学による素核宇宙連携を行う計算基礎科学連携拠点(JICFuS)設立の大きなきっかけともなりました。文部科学省HPCI戦略プログラム分野5「物質と宇宙の起源と構造」ポスト「京」重点課題9「宇宙の基本法則と進化の解明」において、様々な分野融合的研究が実施されています。

※QCDはカードゲームになっています。核力が支配する世界の一端をお楽しみください。
量子色力学カードゲーム『クォーク・カード・ディーラー(QCD)』

撮影協力:
京都大学基礎物理学研究所
京都大学旧演習林事務室
理化学研究所仁科加速器研究センター
理化学研究所計算科学研究機構
高エネルギー加速器研究機構
筑波大学計算科学研究センター

音楽:「convergence」吉岡亜由美
演出・製作:樋口喜昭、南口雄一

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