2014年11月27日(木)~28日(金)に、非専門家を対象とする素核宇宙融合レクチャーシリーズ第13回「Why Astrophysical Big Bangs?」が開催されました。講師には、理化学研究所の長瀧重博(ながたき・しげひろ)准主任研究員を迎え、2日間にわたるレクチャーが行われました。参加者は24名、大学院生からベテラン研究者まで多様な面々が講義に聞き入りました。
長瀧氏は「我々の研究している天体ビッグバンの面白さ、現状と今後の展望などを、主に宇宙を研究されていない方を念頭にわかりやすくお伝えしたいと思います」とのことで、プレゼンスライドやホワイトボードへの板書を使い分け、丁寧な講義を行いました。
超新星はどうやって爆発しているか、ガンマ線バーストはどのように起こっているか、重元素の起源は超新星爆発、ガンマ線バースト、連星中性子星合体のいずれなのか、ガンマ線バーストは最高エネルギー宇宙線加速器なのかといった話題を、講義形式と研究トピックス形式で詳しく説明しました。
また、理論科学連携研究推進グループ(iTHES)を形成して分野融合を目指す一方、理研内の実験グループとの共同研究、およびスーパーコンピュータ「京」、ポスト「京」を視野に入れた研究を実施している点についても言及がありました。
この素核宇宙融合レクチャーシリーズは、分野融合を目的の一つとする新学術領域研究「素核宇宙融合による計算科学に基づいた重層的物質構造の解明」およびHPCI戦略プログラム分野5の共催で行われました。最終的にはシリーズをまとめた「素核宇宙融合教科書」の制作が予定されています。