連星中性子星の合体とブラックホールの進化過程に新解釈
-スーパーコンピュータ「京」で磁場の増幅機構が明らかに
2014年9月1日
国立大学法人京都大学
概要
京都大学基礎物理学研究所の木内建太特任助教らの研究グループは、理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」を用いて、連星中性子星の合体およびその後の進化過程の新たな描像を示すことに成功しました。
2つの中性子星からなる連星中性子星は重力波の発生により合体し、ガンマ線バーストと呼ばれる爆発現象を起こす可能性があります。また、重元素合成を引き起こしている天体の候補でもあります。そのため連星中性子星合体の解明が求められており、理論、観測に加えて数値シミュレーションからのアプローチが進んでいます。研究グループは中性子星がもつ磁場に着目し、合体とその後の進化にどのように影響を及ぼすかを探りました。その結果、従来は合体後形成されるブラックホール周辺の降着円盤内で磁場が増幅されるとされていましたが、2つの磁気流体不安定性によりブラックホールの形成前に磁場が増幅されることがわかりました。
本研究は、文部科学省HPCI戦略プログラム分野5「物質と宇宙の起源と構造」および計算基礎科学連携拠点(JICFuS)の元で実施したものです(課題番号:hp130025、hp140211)。この研究成果は、国際論文誌「Physical Review D」(2014年8月28日号)に掲載されました。
詳細は京都大学プレスリリースをご覧ください。