12月22日(土)~24日(月・祝)につくば国際会議場において、第25回理論天文学宇宙物理学懇談会シンポジウム「計算宇宙物理の新展開」が開催されました。年末の連休にもかかわらず、160名もの参加があり、多くの講演やパネルディスカッションなどが行われました。
天文学・宇宙物理学の発展にとって、シミュレーションは基礎理論、観測と並んで欠かせない柱の一つです。理論懇では、2002年に「シミュレーション天文学最前線2002」(国立天文台)を開催し、各分野におけるシミュレーションの進展を総括しました。10年が経過した2012年、計算機性能は100倍向上し、スーパーコンピュータ「京」の共用が開始され、「計算宇宙物理学」の新たな展開が期待されています。
基礎理論や観測との協働や、素粒子・原子核・プラズマなど他分野との連携も重要度を増すことから、第25回のシンポジウムでは、最先端の天文シミュレーションを中心とした、計算宇宙物理学の将来像を総合的に議論することを目的としました。
招待講演と一般講演合わせて35名の口頭発表がありました。様々な分野の招待講演者が、ここ数年の宇宙物理学の進展を、シミュレーションを軸として講演しました。一般講演も質が高く、活発な議論がなされました。
「京」やそれに続くスーパーコンピュータが宇宙物理学に与えるインパクトを中心に、今後の観測プロジェクトも視野に入れた将来構想に関する紹介があり、パネルディスカッションにおいて総合的な議論が行われました。