計算基礎科学連携拠点拠点長の青木慎也(あおき・しんや)筑波大学教授、理化学研究所の初田哲男(はつだ・てつお)主任研究員、筑波大学の石井理修(いしい・ のりよし)准教授が、一般社団法人日本物理学会 第17回論文賞を受賞しました。第67回年次大会(2012年3月24日~27日)中の3月26日に授賞式が行われました。
受賞論文
“Theoretical Foundation of the Nuclear Force in QCD and its Applications to Central and Tensor Forces in Quenched Lattice QCD Simulations”
Prog.. Theor. Phys. Vol. 123, No.1, 89-128,(2010)
この論文は、「陽子や中性子の間に働き原子核を作りだす核力を、クォークの力学である格子量子色力学から導きだす新しい手法の提案と、その詳細な理論的検討、および計算結果」について書かれたものです。受賞理由の中で、「量子色力学という場の理論から重粒子間の相互作用を導き出す全く新しい有効な手法を開発した画期的論文」と高く評価されました。
受賞した青木教授は「現在の研究の方向性を決めることになった重要なものであり、著者として愛着を持っている論文の1つです。今回、物理学会の論文賞に選 ばれたのは名誉なことであり、うれしく思っています。今後もこの論文を基礎とした研究をさらに発展させて行きたいと考えています」と、喜びを語りました。
日本物理学会は、独創的な論文の発表により物理学の進歩に重要な貢献をした研究者の功績を称えるために、日本物理学会論文賞を制定しています。
関連リンク