2022年12月14日に第17回HPC-Phys勉強会を開催しました。この勉強会は、計算基礎科学連携拠点(JICFuS)と理化学研究所R-CCSの共催です。参加者は33名、うち現地参加9名でした。
今回はオンサイトとオンラインを組みあせたハイブリッドの開催となりました。オンサイトの会場は神戸にある理化学研究所計算科学研究センターです。コロナ禍以降、対面が組み合わされた初のHPC-Phys勉強会となります。
プログラムの高速化のためには、プログラムのどこが遅いのかを知る必要があります。そのための解析ツールがプロファイラーです。プロファイラーの利用は最初は敷居が高いかもしれませんが、慣れるととても便利です。今回は、ベンダーの方をお招きして、使い方について解説していただきました。
一つの目の講演は NVIDA の丹さんで、Nsight Systems を用いた GPU アプリケーションのプロファイリングについて解説いただきました。CPU 向けに書かれたプログラムを、GPUを用いて高速化するケースを想定して、プロファイラのかけ方や、GPU化すべきボトルネックの特定、OpenACC を用いた GPU化、GPU 化した部分のプロファイリングと高速化、とGPU利用の初心者向けながら非常に実践的な説明でした。講演資料は参加者のみに期間限定の公開でしたが、関連資料へのリンクは勉強会のウェブサイトに集めています。講演中のサンプルは、この中の Nsight Tools Tutorial をベースにしたとのことです。
二つ目の講演では、富士通の中村さん、三吉さんから、スーパーコンピュータ「富岳」で使われている CPU 向けのプロファイラーの解説がありました。マニュアルを見るだけでは、(初心者には)なかなか想定している使い方がわからない機能についても、詳しく解説してくださいました。この勉強会は講演中でも気軽に質問できる雰囲気を大切にして議論の時間を多くとっていますが、(目論見通り?)議論の時間まで活発な質疑応答が続きました。
昼休みを挟んで午後からは、理化学研究所の似鳥さんから、富岳でのプロファイラの利用事例の報告がありました。要所要所で富士通の方からのコメントがあり、利用者と開発者が直接対話する貴重な機会となりました。
講演資料は、勉強会 web site からご覧になれます。
http://hpc-phys.kek.jp/
世話人の一人である金森さんからは
「この勉強会としてははじめてのハイブリッド開催で、音響面での準備が不十分だったと反省しています。講演者の皆様は、この勉強会に合わせた講演を用意して下さいました。NVIDIAの丹さんには、参加者の要望に応えて MPI 環境下での参考資料も追加でご提供いただきました。富士通の三吉さんには、ご本人の講演の際だけではなく、似鳥さんの講演の際にも、多くの有益なコメントをいただきました。どうもありがとうございます。」
とコメントをいただきました。
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- HPC-Phys勉強会HP:High Performance Computing Physics