開催報告:第6回 HPC-Phys 勉強会

2020年1月31日(金曜)に京都大学基礎物理学研究所で第6回HPC-Phys勉強会を開催しました。この勉強会は、計算基礎科学連携拠点(JICFuS)およびポスト「京」重点課題9「宇宙の基本法則と進化の解明」の主催です。

今回は前回に続き、機械学習をテーマに開催しました。参加者は32名で、関東から足を運んでくださった学生さんも何名かいました。午前中はチュートリアルで、講師には「ディープラーニングと物理学」の著者の一人である田中章詞さんをお招きました。チュートリアルは、各自のPCに用意した環境、もしくは google colaboratory を用いて行われました。参加者は、田中さんの用意した資料に従って、迷路の解法を試していきました。午後は機械学習を宇宙の大規模構造の解析に応用する話を、小林洋祐さんが紹介してくださいました。

休憩を挟んで、午後の後半は小ネタ特集となりました。新しい計算機、新しいツール、便利なツールはいろいろありますが、初めてものはの敷居は高いものです。そんなときは、使っています・使ってみました、という話を聞くと敷居が下がります。また、論文にはならないけどちょっとした高速化・効率化の方法にただりついたら、人に話してみたくなりませんか。小ネタ特集の趣旨説明のあとに、合計6つのミニトークがありました。金森逸作さんからは、スパコン上でのデバッグに git をどう使っているかの紹介がありました。田中章詞さんからは、Google Colaboratory を研究でどう活用しているかの紹介がありました。榎本剛さんからは、Mac OS X 用のパッケージ管理システムである MacPorts の紹介がありました。榎本さんは、なんといくつかの ports の管理をしているそうです。似鳥啓吾さんからは、複素数の乗算で四則演算の回数を減らす Gauss の方法の紹介がありました。松古栄夫さんからは、素粒子・原子核・宇宙分野で使われているデータグリッドである JLDG の紹介と、最新のベクトル型計算機である SX-Aurora を使ってみた話がありました。

懇親会は、基礎物理学研究所内で部屋を移動して行われました。今日の講演内容に加えて、次のテーマ、開催場所など議論に花が咲きました。

参加者で世話人の一人である金森さんからは「講演を引き受けてくださった皆様、参加いただいた皆様、どうもありがとうございます。ポスト京重点課題9は2020年3月で終了しますが、今後も HPC-Phys 勉強会は続けていきたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願い致します。」とコメントをいただきました。

講演資料は勉強会 web site
http://hpc-phys.kek.jp/
をご参照ください。

カテゴリー: スクール報告, 新着情報, 重点課題⑨   パーマリンク