天の川銀河中心の巨大ブラックホール天体「いて座A*」の構造

天の川銀河中心の巨大ブラックホール天体「いて座A*」の構造

東アジアVLBI観測網による波長1.3センチと7ミリ帯の電波観測データから、天の川銀河の中心にひそむ巨大ブラックホール天体「いて座A* (エースター)」の詳しい構造が明らかになりました。観測で得られた放射領域の大きさは、いて座A*の巨大ブラックホールに降着するガス流の中に非常に高いエネルギーに加速された非熱的電子が含まれていることを、そして放射領域のほぼ円形な形状は、降着円盤の回転軸(もしくは微弱なジェットの噴出方向)がほぼ地球方向に向いている可能性を示唆しています。本研究はスペインのアンダルシア天体物理研究所に所属する趙 壹濟(チョウ・イルジェ ) 氏が率いる研究チームを中心として行われ、2022年2月22日に米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル誌」に掲載されました。

本研究成果は、Ilje Cho et al. “The intrinsic structure of Sagittarius A* at 1.3cm and 7mm”として、2022年2月22日付で米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に掲載されました。

左:天の川銀河の中心方向の様子(MeerKAT/SARAO)。右:東アジアVLBI観測網によって得られたいて座A*の構造(上側が波長1.3cm帯、下側が波長7mm帯による画像)。各波長とも、左側の画像が星間散乱によってぼやけた「生の」観測画像であり、右側の画像が散乱の影響を除去して復元されたいて座A*の本来の構造。画像上の横線の長さ「1mas」は約0.0001光年に相当します。

くわしくは国立天文台水沢観測所のプレスリリースをご覧ください。
https://www.miz.nao.ac.jp/veraserver/hilight/202202_hada/

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