開催報告:基研研究会「シミュレーションによる宇宙の基本法則と進化の解明に向けて」

2019年12月16日~12月19日に基礎物理学研究所 湯川記念館 パナソニック国際交流ホールにて、「シミュレーションによる宇宙の基本法則と進化の解明に向けて」シンポジウムを開催しました。参加者は当初想定した90名を超え、口頭発表は38件、ポスター発表は17件でした。今回のシンポジウムでは、スーパーコンピュータ「京」の数十倍の性能をもつスーパーコンピュータ「富岳」が近く稼働することが分野に転機をもたらすことを鑑み、「京」で得られた成果を報告するのはもちろん、より広くシミュレーションを素粒子・原子核・宇宙分野で活用する研究を取り上げて議論をおこないました。

口頭発表の多くは、素粒子原子核宇宙分野のシミュレーション研究に関するものでしたが、重点課題9以外からも多くの研究発表が行われ、より幅広い議論が行われました。

ほとんどの講演に対して講演中から頻繁な質問や議論が行われ、聴衆の関心の高さを伺わせました。富岳の稼働が迫っていることでシミュレーション研究に具体的な進展が期待できることから、数年後にどこまで進むのかに焦点が当てられ、関係者で共通の認識が得られました。また、普段はシミュレーション研究に関わっていない研究者も多く参加しており、分野の進展を伝えることにもつながりました。関連する実験・観測に関する講演があったことで、シミュレーション研究と実験との関係を明確に認識することができ、実験の関係者からもシミュレーションに期待する声も聞かれました。
 参加者からは、「面白かった」「勉強になった」という感想が多く聞かれ、評判のうちにシンポジウムは閉会しました。

参加者名簿:https://conference-indico.kek.jp/indico/event/88/material/1/0.pdf
プログラム(講演スライド含む):
https://conference-indico.kek.jp/indico/event/88/other-view?view=standard#20191216.detailed

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