原子核物理でつむぐrプロセス
– Nuclear physics of the r process –
開催趣旨
近年、金属欠乏星の詳細な元素組成観測や連星中性子星合体に伴う重力波+電磁波観測(=キロノバ)などの大きな進展により、宇宙におけるrプロセス元素の起源に対する理解が大きく進展している。天体現象でのrプロセスの理解のためには関係する原子核の性質の精密な理解が必要であるが、現状の元素合成計算では理論予言値に大きく依存しており不定性も大きい。今後は、rプロセスの精密な研究の時代において、多角的な視点での原子核理論の協力が不可欠である。
本研究会は、2018年6月に理化学研究所仁科センターにて開催された研究会「重力波観測時代のrプロセスと不安定核 」に引き続き開催される。今回は、特にrプロセスに関連する核物理の理論家を複数集め、現状の元素合成計算の理論予言の問題点を洗い出し、今後の精密化において必要な課題を明確にしたい。
以下に関連する幅広い話題を対象にする。
- rプロセス元素合成 (r-process nucleosynthesis)
- 連星中性子星合体・キロノバやGRBと関係する天体現象 (NS mergers, kilonovae, GRBs, etc.)
- 原子質量 (atomic/nuclear masses)
- ベータ崩壊 (β decay)
- 核反応:中性子捕獲、中重核までの様々な捕獲過程 (nuclear reactions)
- 超重元素・核分裂 (super-heavy nuclei, nuclear fission)
- その他、広義のrプロセスに関わる物理 (other aspects to the r-process)
- 期日:
- 2019年5月22日(水)から5月24日(金)まで
- 会場:
- 京都大学基礎物理学研究所 湯川記念館・パナソニック国際交流ホール
- 使用言語:
- 基本的に日本語を想定しますが,英語での講演も歓迎いたします.
- 参加費:
- 徴収しませんが,コーヒー・お茶代(実費)をいただく可能性があります.
- 参加登録:
- ウェブサイトにて登録:講演申し込みは,5月7日(火)まで
日本語:https://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~yipqs.project/form.php?id=457
English:https://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~yipqs.project/form_e.php?id=457 - 旅費補助:
- 学生や若手ポスドクで旅費補助を希望される方は,4月10日(水)までにご連絡下さい.財源が限られていますので,予算の状況によってはご希望にそえない可能性があります.
- 懇親会:
- 2日目(5月23日)の夕刻に基研あるいは京大キャンパス内にて,懇親会の開催を予定しています.登録時にお申し込みください.参加費は一般4000円,学生が3000円程度で準備しています.
- 主催:
- 京都大学基礎物理学研究所 (YITP, Kyoto University)
- 共催:
- RIBF理論研究推進会議 (RIBF Theory Forum)
計算基礎科学連携拠点 (JICFuS)
詳しくは基研のHPをご参照ください:原子核物理でつむぐrプロセス– Nuclear physics of the r process –
世話人:井岡 邦仁(京大基研),板垣 直之(京大基研),宇都野 穣(原子力機構),緒方 一介(阪大RCNP),西村 信哉(京大基研,連絡責任),萩野 浩一(東北大理),堀内 渉(北大理),吉田 賢市(京大理),和南城 伸也(マックスプランク・AEI)