2015.12.24 国立天文台 川島 朋尚 特任研究員
1916年、ドイツの天体物理学者カール・シュバルツシルトは、アインシュタインの一般相対性理論の方程式から、世界で初めて「ブラックホール」という天体の存在を導き出しました。
その後、電波や赤外線、可視光線、X線などさまざまな波長の光を使って宇宙を観測できるようになったことで、ほとんどすべての銀河の中心には、非常に強い重力であらゆるものを吸い込みながら成長するブラックホールが実在することが示されています。
「ブラックホールを理解することは、銀河、ひいては宇宙の成り立ちを理解することにつながります。そのため、数多くの天文学者がブラックホールに注目しているのです。ブラックホールというと、子どもの頃は得体の知れないものと思っていましたが、学生時代、ブラックホールを間接的にではあっても実際に観測できることを知り、この道に進むことを決めました」と話すのは国立天文台天文シミュレーションプロジェクトの川島朋尚特任研究員です。