2014.3.4 名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構 山﨑 剛 特任助教
2つの陽子と2つの中性子-4つの核子からなるヘリウム原子核。名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構の山﨑 剛(やまざき・たけし)特任助教は、これを「多体核子」と表現します。核子が4つで「多体」とは少ないように思うかもしれません。しかし、核子ひとつひとつは、物質を構成する最小単位と考えられている素粒子、クォーク3つとグルーオンで構成されています。素粒子の振舞いから原子核の性質を計算する山﨑さんにとって、ヘリウム原子核は4核子の集合体ではなく、その数倍の素粒子が複雑に影響を及ぼしあっている集団に見えているのです。2009年には、「こんな複雑な計算はまず無理」と考えられていました。それを可能にした山﨑さんは、どのような工夫を重ねてきたのでしょうか。