2015年8月3日(月)午後~8月7日(金)に千葉大学統合情報センターにて、宇宙磁気流体・プラズマシミュレーションサマースクールが7人の講師のもとに開催され、大学院生を中心に18人の参加がありました。
本スクールではHPCI戦略プログラム分野5が開発を支援している磁気流体(MHD)モデルに基づく高次精度MHDシミュレーションコードパッケージ CANS+、電磁粒子モデルに基づくプラズマ粒子シミュレータ pCANSを用いた実習と、その発展型で、すでに宇宙磁気流体・プラズマシミュレーションの経験をもつ大学院生・研究者を主な対象とする、磁気流体コード作成、コードの高速化等の実習を隔年で実施しています。今年は発展型の実習を行いました。
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実習の様子
一昨年は一次精度、1次元磁気流体シミュレーションコードの作成を目標としたところ参加者全員がクリアし、二次精度、3次元シミュレーションまで到達した受講生もいました。今年は2次元まで到達した受講生が多数いました。他に応用で重力を入れている受講生、1次元ながら高精度のシミュレーションをしている受講生、さらには2次精度でケルビン・ヘルムホルツ不安定性などの応用までこなしている受講生など、それぞれの興味に応じたコードを開発しました。初日に近似リーマン解法による磁気流体方程式の差分解法の講義を受け持った、広島大学助教の三好隆博氏は「今年は2年前とほぼ同じプログラムなので、講師陣が2年前に苦労した経験が生かされているのではないか」と話しました。
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発表会の様子
最終日には発表会がありました。東京大学修士課程2年の川畑佑典さんは「2次元2次精度で渦問題に挑戦しました。ダイバーデンシティが0にならなければならないが、シミュレーションで誤差がでるため0にならず破綻していました。うまくシミュレーションする方法をこのサマースクールで学び、コードを組み込みました」と成果を話していました。