2014年3月7日に工学院大学 新宿校舎で「多倍長精度計算フォーラム」第4回研究会が開催されました。小雪がちらつく中、7人からライブラリ中心の発表があり、およそ30人の参加がありました。多倍長精度計算を必要とするアプリケーションでの最近の成果、GPUなどのハードウェアによる多倍長精度計算の進展、大規模並列計算による多倍長精度計算の高速化など多方面の観点から検討されました。講演中も活発に質問が飛び交い、充実した研究会となりました。
計算機の発展に伴い、計算機を活用する基礎から応用までの幅広い分野でめざましい発展が遂げられています。計算規模が巨大化し大規模計算が必要となっています。また、演算量が増えたため、高速化することも必要となっています。この大規模化および高速化という重要な2つの方向に加えて、精密化、すなわち計算精度にかかわる課題があります。
多倍長精度計算フォーラムは、2009年より3回の研究会を開催しています。多倍長精度計算に関係する数学、ソフトウェア、ハードウェアおよびアプリケーションの幅広い分野から研究者が集まり、学際的な視点から多倍長精度計算について情報交換を行っています。研究会での出会いにより、共同研究に発展したケースもあります。
この研究会を通して多倍長精度計算を利用してみたいと考えているアプリケーション開発者にとって魅力ある話題をとりあげ、多倍長精度計算の普及を進めていくことも目的としています。 今後はアプリケーションの発表も増やし、メーリングリストで情報共有をはかり、高性能計算の扉に情報を集めて行きます。