サブ課題A、B、Cを設定し、これらが独立に研究を進めつつ、問題解決の手法や最適化などについて相互に協力して研究を進めます。サブ課題間の定期的な研究報告会を設けて連携を密にします。
課題全体 | 中間目標 (平成29年度) |
既存の計算資源を用いて各サブ課題での最先端の研究を続け、ポスト京での研究を視野に入れた中間的目標を達成すると同時に、ポスト京で実行するアプリの計算手法を確立する。 |
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最終目標 (平成31年度) |
既存の計算資源を用いた各サブ課題での最先端の研究を継続してポスト京での研究につなげる。アプリの本格的な最適化を実施し、ポスト京で実行する準備を完了する。 |
サブ課題名 | サブ課題A 究極の物理法則と宇宙開闢の解明(分担機関・責任者:高エネルギー加速器研究機構・橋本省二) |
サブ課題B 物質創生史の解明と物質変換 (分担機関・責任者:京都大学・柴田大) |
サブ課題C 大規模数値計算と広域宇宙観測データの融合による宇宙進化の解明 (分担機関・責任者:東京大学・吉田直紀) |
調査研究・準備研究フェーズ | |||
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平成26年度 | サブ課題A目標関連分野の現状を調査、検討すべき点を整理する。
実施内容関連する研究と実験プロジェクト等の現状・計画を調査し、具体的研究計画策定に向けて関係者で検討を進める。 |
サブ課題B目標鉄より重い元素の起源解明という最終的な目標に向かってポスト京において実施すべき課題を調査し、QCD、原子核、宇宙分野それぞれで課題の絞り込みを行う。
実施内容京での成果を鑑みながら、ポスト京で特に推進すべき計算内容を議論し、調査研究を進める。 |
サブ課題C目標科学成果を選定し、研究体制を構築する
実施内容計算コード開発と最適化を行う。 |
平成27年度 | サブ課題A目標・各課題について、現状の問題点を整理して研究開発課題をまとめる。 ・研究体制を確立。 ・実験グループ等との連携体制を確立。 実施内容・研究会等を通じて研究分野の最新情報を収集、課題を整理。 |
サブ課題B目標ポスト京で実行する計算の規模とそのために用いるコードの物理的概要、アルゴリズムを決める。
実施内容・QCDと宇宙分野に関しては、京での成果を鑑み、ポスト京で実行すべき研究課題、計算規模、およびそのために開発すべきコードを決定する。 |
サブ課題C目標 重力N体、無衝突ボルツマン、一般相対論的流体、プラズマ計算各コードについて最適化を進める
実施内容宇宙大構造形成のN体計算およびBH降着流の一般相対論的流体計算を行う |
本格実施フェーズ | |||
平成28年度 | サブ課題A目標・D(s)中間子の形状因子計算における高精度計算手法の開発。 ・有限温度QCD相転移における量子異常効果の研究。 ・一次元超対称ゲージ理論シミュレーション高速化。 ・(平成29年度にかけて)ミューオン異常磁気能率計算に必要な真空偏局の基礎計算を完了。 実施内容・統計精度を上げるための確率的評価手法の検証。 |
サブ課題B目標ポスト京で用いる新たなコードの開発を進めるとともに、元素合成計算や核変換研究に必要な原子核データを段階的に得る。実施内容・QCD分野に関しては、京で未解明のバリオン間力の計算に向け統計精度の向上手法の開発を進める。 ・原子核分野に関しては、元素合成の理解に重要なエキゾチック核の構造計算を始めるとともに、クラスター構造の発現・消滅機構に関わる軽い核の第一原理計算を進める。 ・宇宙分野に関しては、一般相対論的輻射磁気流体コード、ボルツマンコード、超新星爆発用の輻射流体コードの開発を進める。 ・同時に京などを用いて科学的成果を段階的に創出する。 |
サブ課題C目標開発した各計算コードにより「京」上で天体形成進化のシミュレーションを行う。
実施内容・超高解像度N体計算、ボルツマンコードによる構造計算を行う。また一般相対論的輻射流体計算によりBH降着流進化を追う。 |
平成29年度 | サブ課題A目標・D(s)中間子からB(s)中間子への外挿手法確立。セミレプトニック崩壊の高精度計算手法確立。 ・有限温度QCD相転移解明で必要となるカイラル対称性の精度を同定。 ・一次元超対称ゲージ理論シミュレーション実行。 ・ミューオン異常磁気能率計算に必要な真空偏局の基礎計算を完了。 実施内容・計算手法の開発と予備的シミュレーションの実行および解析。 |
サブ課題B目標ポスト京で用いる新たなコードの開発と最適化を進めると同時に、元素合成計算や核変換技術研究に必要な原子核データを段階的に得る。
実施内容・QCD分野に関しては、京で未解明のバリオン間力の計算を進める。 |
サブ課題C目標「京」上で構造形成および天体形成進化のシミュレーションを行う。
実施内容・超高解像度N体計算、ボルツマンコードによる構造計算を行う。また一般相対論的輻射流体計算によりBH降着流進化を追う。 |
平成30年度 | サブ課題A目標・(平成31年度にかけて)B(s)中間子崩壊定数およびセミレプトニック形状因子の決定。 ・(平成31年度にかけて)カイラル対称性をもつ有限温度相転移の小規模計算実行。 ・(平成31年度にかけて)一次元超対称ゲージ理論のさらに低温領域でのシミュレーション実行。 ・(平成31年度にかけて)量子電磁力学の効果を取り入れる手法を確立。 実施内容・予備的シミュレーションの実行および解析。最適化作業。 |
サブ課題B目標ポスト京で用いるコードの最適化を行うと同時に、京などを用いて科学的成果の創出も同時進行で行う。
実施内容・QCD分野に関しては、昨年度の研究を継続するとともに、3体力計算コードの開発と最適化に着手する。 |
サブ課題C目標 各シミュレーションから宇宙観測データと比較する量を導き出す。また、多数のリアライゼーションを蓄積し、統計解析に必要な統計量を求める
実施内容・超高解像度N体計算、ボルツマンコードによる構造計算を行う。 |
平成31年度 | サブ課題A目標・B(s)中間子崩壊定数およびセミレプトニック形状因子の決定。 ・カイラル対称性をもつ有限温度相転移の小規模シミュレーション実行。 ・一次元超対称ゲージ理論のさらに低温領域でのシミュレーション実行。 ・ポスト京向け最適化完了。 ・量子電磁力学の効果を取り入れる手法を確立。 実施内容・予備的シミュレーション実行および解析。最適化作業。 |
サブ課題B目標ポスト京で用いるコードを完成させる。
実施内容・QCD分野に関しては、昨年度に引き続き、京で未解明の2体バリオン力の計算を進めると共に、3体力についても開発した計算コードを用い、テスト計算により半定量的な結果を得る。 |
サブ課題C目標各シミュレーションから宇宙観測データと比較する量を導き出す。模擬観測カタログを作成し、観測データの統計解析を行う。
実施内容・構造計算のアウトプット解析を行い、シミュレーションデータベースを構築する。 |