国立天文台理論研究部の滝脇知也助教が第7回自然科学研究機構若手研究者賞を受賞しました。本賞は新しい自然科学分野の創成に熱心に取り組み成果をあげた優秀な若手研究者に授与されています。滝脇さんの研究の一部は、文部科学省ポスト「京」重点課題9「宇宙の基本法則と進化の解明」および計算基礎科学連携拠点のもとで実施されました。
6月3日に日本未来科学館で行われたRising Sun Ⅶ 自然科学研究機構 第7回 若手研究者賞記念講演にて同賞受賞者らの授賞式と受賞記念講演が行われました。受賞講演では「星はなぜ爆発するのか?」というタイトルで滝脇さんの少年時代のお話から、どうして超新星爆発の研究者を志すことになったのかをお話しいただきました。また、滝脇さんの研究テーマについても紹介していただき、天文学の課題であった「爆発しない超新星爆発」の問題とその解決のために何が必要であったのか、数値計算を用いて得られた結果とそれを可視化した超新星爆発の3次元シミュレーション動画など当時の研究室の様子を交えながらわかりやすく解説をしていただきました。
受賞記念講演の後はミート・ザ・レクチャラーズが行われ、登壇した研究者の方たちに直接会って質問できる機会が設けられました。今回の記念講演では受賞した研究者たちの出身高校からも高校生が招待され、受賞者らは後輩たちとの交流を楽しんでいました。滝脇さんの母校からも多くの学生が招待され、現役高校生からの鋭い質問に滝脇さんが笑顔で応える様子も見られました。授賞式の様子については国立天台のニュースページもご参照ください。
国立天文台 理論研究部:滝脇知也助教が第7回自然科学研究機構若手研究者賞を受賞
滝脇知也氏の受賞コメント;
本賞の受賞に当たっては、超新星爆発を対象としたマルチメッセンジャー天文学という分野の振興が評価されました。この振興の原動力になったのはJICFuSの組織の下で実行された、京コンピュータでの大規模数値シミュレーションです。今後も、数値シミュレーションを研究の核に努力を続けていきたいです。実は、講演を聞きにきた高校生が僕の研究をみてシミュレーションにチャレンジしたいと言ってくれました。若い方に刺激を与えることができて大変幸せです。こういったチャレンジを応援していきたいと思います。