2018年5月23日(水)に、筑波大学計算科学研究センターにおいて、第4回ポスト「京」重点課題9研究報告会を行いました。参加者はTV会議を含めて26名でした。
報告者は3つのサブ課題から計5人。それぞれ30分間ほど講演し質疑が行われました。
サブ課題Aの伊藤祐太・高エネルギー加速器研究機構研究員は、超弦理論での数値シュミレーションを用いた時空構造の探索について発表しました。超弦理論では時空は10次元で定義されていますが、ここから我々の住んでいる4次元がどのように生成されるのかはよくわかっていません。伊藤さんはIKKT行列模型を用いてこの生成の過程を数値計算により調べています。発表では現在扱っている課題とその解決法についてお話しいただきました。サブ課題Bの大川博督・京都大学基礎物理学研究所/早稲田大学理工学術院客員研究員はニュートリノ加熱メカニズムをベースとした超新星爆発の数値シュミレーションを行っています。発表では、より正確なニュートリノの輻射輸送の再現のために2次元のモデル計算で爆発する超新星爆発のモデルを再現したことを説明していただきました。今後は3次元での厳密計算にむけて、コードのチューニングに取り組むそうです。発表の詳細および、他の報告者の発表については以下の資料をご覧ください。
報告者
サブ課題C「大規模シミュレーションを用いた銀河・AGNモデリング」
大木 平・東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構 特任研究員
講演スライド
サブ課題B宇宙グループ「ボルツマン輻射流体コードを用いた3次元重力崩壊計算へ向けて」
大川博督・京都大学基礎物理学研究所/早稲田大学理工学術院 客員研究員
講演スライド
サブ課題B原子核グループ「2+3体力による原子核の第一原理的計算」
宮城宇志・東京大学大学院理学系研究科 特別研究員
講演スライド
サブ課題B格子QCDグループ「格子QCDにおけるダイバリオン研究」
権業慎也・理化学研究所仁科加速器研究センター 基礎科学特別研究員
講演スライド
サブ課題A「超弦理論の数値シミュレーションによる時空構造の探索」
伊藤祐太・高エネルギー加速器研究機構 研究員
講演スライド