2017年2月16日(木)、17日(金)に筑波大学東京キャンパスにて、素粒子・原子核・宇宙「京からポスト京に向けて」シンポジウムを開催しました。参加者は74名(1日目65名、2日目62名)でした。2016年度から本格実施が始まったポスト「京」重点課題9の初年度のアプリ開発・研究成果を中心に、全33講演が行われ、活発な議論がされました。
文部科学省等からの挨拶のあと、神戸大学・牧野淳一郎教授からポスト「京」萌芽的課題3「生命を育む惑星の起源・進化と惑星環境変動の解明」について招待講演がありました。萌芽的課題3は重点課題9と分野的に近く、今後の連携が期待されます。萌芽的課題3は2016年8月からプロジェクトを開始。プロジェクトマネージャーや研究員を雇用して体制を整え、4つのサブ課題を進めていきます。課題責任者である牧野教授は、重点課題9サブ課題Cとは特に分野が近いため、テーマの棲み分けを明確にしつつ、密接に連携をしていきたいと述べました。
続いて、3つのサブ課題についてハイライト講演がありました。サブ課題AのKEK橋本省二教授は、素粒子標準模型や超弦理論のトピック紹介を行いました。サブ課題Bの京都大学・柴田大教授は、重力波、超新星爆発等についてダイジェスト講演をしました。サブ課題Bは3グループに分かれており、理化学研究所・土井琢身専任研究員からハドロン間力について、東京大学・清水則孝特任准教授から原子核構造・反応について報告がありました。サブ課題Cの東京大学・吉田直紀教授は、宇宙の構造形成、磁気流体、機械学習と宇宙論エミュレータ等のトピックを紹介しました。いずれもアプリ開発・研究ともに予定通り進捗しているとのことでした。
その後2日間にわたって各研究テーマの講演がありました。今回はサブ課題ごとにセッションを分けることをせず、サブ課題間の連携を意識したプログラムとしました。他分野からの積極的な質疑がありました。
最後に重点課題9責任者の京都大学・青木慎也教授から「重点課題9諮問委員から、それぞれの講演でテーマの位置づけを述べてから内容に入ってほしいとのコメントがありました。専門分野が違うとどこが最先端なのか理解しにくいので、次回からは各講演で最初にロードマップ的なものを示すようにしましょう。」と締めて、閉会となりました。
関連リンク
- 開催案内:素粒子・原子核・宇宙「京からポスト京に向けて」シンポジウム(2/16-17)
講演スライドを掲載しています