桜の下で白熱した議論-国際研究会「Quantum Gravity, String Theory and Holography」および市民講演会

国際研究会

2017年4月3日から7日までの5日間、京都大学基礎物理学研究所にて国際研究会“Quantum Gravity, String Theory and Holography”を開催しました。参加者は計117名。ノーベル賞受賞者を含む国内外からの招待講演者26名を迎え、アジア、欧州、北米からの参加者が多数を占める国際色豊かな研究会となりました。
本研究会は、京都大学基礎物理学研究所京都大学白眉センター米国サイモンズ財団、そしてポスト「京」重点課題9のサポートを得て行いました。

プログラム等の詳細は研究会ホームページ(英語)をご覧ください。

京都大学基礎物理学研究所の前にて

 

本研究会は時期が良かったためか、一般講演に予想を超える多数の申し込みがありました。

中には、講演とポスターで2回、しかも異なる話題で発表をする参加者もいたため、当初の予定を変更して講演枠を増やし、パラレルセッションとポスターセッションも追加するという、主催者としては嬉しい誤算もありました。

湯川桜の下でお花見。湯川桜は、湯川秀樹博士が醍醐寺から移植したものです。


5日間に渡って、とても熱心な議論が続きました。中日である4月5日の午後には2004年ノーベル物理学賞受賞者であるカリフォルニア大学サンタバーバラ校のデイビッド・グロス教授のコロキウムがありました。

続いて、基礎物理学研究所の裏にある「湯川桜」の下で、研究会のバンケットを兼ねたお花見が開催されました。今年は桜の開花が遅れ、満開まであと一歩でしたが、海外からの参加者も日本の春を満喫できたようです。

 

質問に答える大栗氏

市民講演会

研究会が盛況のうち幕を閉じた翌日の4月8日に、市民講演会「時空は何でできているのか — ホログラフィー原理からの展望」を開催しました。

講演者は大栗博司氏(カリフォルニア工科大学/東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構)、橋本幸士氏(大阪大学)、 西村淳氏(高エネルギー加速器研究機構/総合研究大学院大学)の3名。いずれも話のわかりやすさに定評のある研究者です。

鋭く切り込む橋本氏

まず大栗氏がホログラフィー原理の基本的なアイデアを説明した後、橋本氏が原子核理論への応用や、理論と計算科学の違いについて話しました。

最後に西村氏が、ポスト「京」重点課題9の成果を交えつつ、4次元時空の誕生に迫る研究について語りました。参加者は合計98名(小中学生2、高校生9、大学生27、一般60)。非専門家とは思えない鋭い質問をする参加者がおり、対する講演者の答えも熱を帯びるなど、盛況な講演会となりました。

和やかに談笑する西村氏

3名の講演が終わった後、参加者が講演者に一対一で質問できる「研究者と話そう」というコーナーを設けました。

ここでも参加者から鋭い質問が飛び出したほか、講演者と記念撮影をしたり、持参した講演者の著書にサインをもらったりしていました。

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