8月7日(水)~8月8日(木)の2日間、神戸大学惑星科学研究センター(CPS)において「Kobe 2013 Workshop – Large-Scale simulation of Formation and Evolution of Planetary Systems」が行われました。8人の研究者が講演したうえで、十分な時間をとって議論が行われました。参加者は19名でした。
惑星形成を中心に話題提供され、重力多体計算に関すること、あるいは天体物理学におけるオープンソースの利用などについても紹介されました。東京工業大学地球生命研究所の小南 淳子(こみなみ・じゅんこ)研究員は、惑星形成の外側領域における微惑星の連星形成に関する話題を提供しました。これは、冥王星とその衛星カロンの成り立ちにも関連するテーマです。
2日間のワークショップの最後には、牧野 淳一郎(まきの・じゅんいちろう)東京工業大学地球生命研究所教授が、次世代のエクサスケールコンピューティングについて講演し、重力多体計算における展望などについて議論が交わされました。エクサは100京(1018)を表し、スーパーコンピュータ「京」の100倍の計算性能を持つスパコンの開発(2020年完成予定)がすでに始められています。その中で、惑星形成の分野がどのように研究を進めていくかについて議論が行われました。
このワークショップは、滞在型研究会:Summer 2013 Kobe workshop “Algorithms and applications of gravitational N-body simulation”の一環で開催されたものです。研究会の目的は、(1) 大規模シミュレーションによる惑星形成過程の研究の今後の方向についての議論、(2) 自己重力系の粒子法シミュレーションのアルゴリズムと実装についての議論、(3) 並列化、チューニング、アクセラレータ利用に関する共同研究、にあります。2011年度から毎年、HPCI戦略プログラム分野5などが主催しているもので、関連する研究者がある程度の期間滞在し、集中的に議論やプログラム開発などを行います。