2013年3月5日(火)~6日(水)に富士ソフトアキバプラザにて、HPCI戦略プログラム分野5「物質と宇宙の起源と構造」全体シンポジウムが開かれました。社会に向けて戦略分野5の研究成果を発信するシンポジウムで、毎年3月に行っています。今回の参加者は、70名でした。
初日は、文部科学省から挨拶をいただいた後、ゴードン・ベル賞受賞者2人による基調講演がありました。
まず、2011年ゴードン・ベル賞受賞者、長谷川幸弘・計算科学研究機構 開発研究員が登壇し、“ペタフロップ・アプリケーションを目指して-第一原理電子状態計算プログラム「RSDFT」”と題する講演を行いました。2人目は2012年の受賞者、石山智明・筑波大学計算科学研究センター研究員が“スーパーコンピュータ「京」の中の宇宙”を講演しました。いずれもサイエンスの解説とともに、「京」を最大限活用するためにアプリケーション開発やチューニングなどで、どのような工夫を凝らしたかについての説明に時間を割いていました。
午後は4つの研究開発課題と体制構築について、責任者から活動報告がありました。また、ポスター発表が4つあり、ポスター前ではさまざまな議論がされました。とくに初日は専門家以外にも向けた講演でしたが、参加者の多くが研究者だったこともあり、個々のサイエンスや「京」の利用に関することに質問が集中しました。「京」に限らずどのスパコンにもクセがあり、それをしっかり把握して今後の研究に役立てようという姿勢が見られました。
夜には交流会が行われ、引き続き議論などが行われました。
2日目は、個々の研究テーマについて、より詳しい発表が17件行われました。研究開発課題にあげられる主要テーマだけでなく、非常に野心的で、逆に言えばまだ正しいかどうかわからない(だからこそ面白い)発表がいくつかありました。これらの講演では時間オーバーするほど質問が飛び交い、休憩時にも議論が続けられる姿が見られました。
この全体シンポジウムは、2013年度も同じ3月頃に開催する予定です。
※全講演のプレゼン資料をウエブに掲載しております。以下をご覧ください。
シンポジウムのプログラムおよびプレゼン資料(PDF)
http://www.jicfus.jp/jp/130305-6hpci5/