広島大学大学院理学研究科の金森逸作(かなもり・いっさく)研究員が国際会議 ICCSA 2018で best paper awardを受賞しました。金森さんは文部科学省ポスト「京」重点課題9「宇宙の基本法則と進化の解明」サブ課題AとBのメンバーです。
7月2日-5日にオーストラリアのメルボルンで開催された国際会議 ICCSA 2018は計算科学とその応用をテーマに15年以上続く国際会議です。期間中には基調講演の他に多くのワークショップが開催され、今年は全体で200以上の講演がありました。best paper awardは会議中の優れた講演に対して送られるものです。金森さんの授賞対象となった論文は、KEKの松古栄夫さん(サブ課題Aメンバー)との共著のPractical Implementation of Lattice QCD Simulation on SIMD Machines with Intel AVX-512です。最近の計算機では、複数のデータに対する演算を同時に行う処理(SIMD と呼ばれています)を強化したものが増えています。そのような処理を、あまり手間をかけずに格子QCDで使いこなすにはどうすればいいかをまとめたのがこの論文です。この研究では計算機は、Oakforest-PACS (最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)、筑波大と東京大で運用)と ITO(九州大学情報基盤研究開発センター)が用いられています。
金森逸作氏の受賞コメント
はじめて参加した国際会議でこのような賞を受賞できて光栄です。講演も評価の対象だったそうですが、論文があってこその講演です、共著者の松古さんをはじめ、この論文につながる議論の相手をしてくだっさた方々に感謝します。
関連リンク
- 月刊JICFuS:高速プログラムを開発してフェルミ粒子の物理に挑む (2017/12/11公開)