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大須賀 健 教授が2022年度日本天文学会林忠四郎賞を受賞

表彰状を受け取る大須賀健氏(左)と山本智 日本天文学会長(右)

筑波大学計算科学研究センターの大須賀 健(おおすが けん)教授が、2022年度日本天文学会林忠四郎賞を受賞し3月15日に立教大学で授賞式および受賞記念講演が行われ、オンラインでも配信されました。

林忠四郎賞とは日本天文学会の会員である林忠四郎氏(京都大学名誉教授)に京都賞が授与されたのを記念し、同氏からの寄付金を基金として設立されたものです。1996年から実施されており、天文学分野での独創的な学術研究に対して授与されています。

受賞対象となったのは大須賀さんの“コンパクト天体周囲の降着流と噴出流の先駆的シミュレーション研究”です。
大須賀さんは、超臨界降着流の存在証明、ブラックホール降着円盤モデルの統一、一般相対論的輻射磁気流体シミュレーション、中性子星への超臨界降着流の予言、ライン駆動型ウィンドモデルの予言と検証など、コンパクト天体周囲の降着流と噴出流の研究で世界的に評価の高い卓抜の成果を挙げ、わが国の天文学の発展に大きく貢献したことが受賞理由となっています。

受賞記念講演の様子

本研究の一部は、文部科学省HPCI戦略プログラム分野5「物質と宇宙の起源と構造」ポスト「京」重点課題9「宇宙の基本法則と進化の解明」「富岳」成果創出加速プログラム「宇宙の構造形成と進化から惑星表層環境変動までの統一的描像の構築」および計算基礎科学連携拠点のもとで実施されました。

受賞理由についてくわしくは、関連ホームページをご覧ください。

大須賀健氏の受賞コメント
日本天文学会林忠四郎賞という身に余る賞をいただき、大変光栄です。この度の受賞では、ブラックホール等に関するシミュレーション研究を高く評価していただきました。私個人の力では到底なし得なかったことであり、プロジェクトや共同研究を通じて支えてくださった全ての方々に感謝いたします。これまで以上に努力し、計算科学の発展に貢献したいと思います。

外部リンク
賞概要:日本天文学会 各賞について
受賞理由:2022年度日本天文学会林忠四郎賞 (PDF)
筑波大学計算科学研究センターニュース【受賞】大須賀教授が日本天文学会林忠四郎賞を受賞

「富岳」成果創出加速プログラム

領域①人類の普遍的課題への挑戦と未来開拓
量子物質の創発と機能のための基礎科学 ―「富岳」と最先端実験の密連携による革新的強相関電子科学
領域①人類の普遍的課題への挑戦と未来開拓
全原子・粗視化分子動力学による細胞内分子動態の解明
領域①人類の普遍的課題への挑戦と未来開拓
シミュレーションで探る基礎科学:素粒子の基本法則から元素の生成まで
領域①人類の普遍的課題への挑戦と未来開拓
大規模データ解析と人工知能技術によるがんの起源と多様性の解明
領域①人類の普遍的課題への挑戦と未来開拓
脳結合データ解析と機能構造推定に基づくヒトスケール全脳シミュレーション
領域①人類の普遍的課題への挑戦と未来開拓
核燃焼プラズマ閉じ込め物理の開拓
領域②国民の生命・財産を守る取組の強化
プレシジョンメディスンを加速する創薬ビッグデータ統合システムの推進
領域②国民の生命・財産を守る取組の強化
防災・減災に資する新時代の大アンサンブル気象・大気環境予測
領域②国民の生命・財産を守る取組の強化
マルチスケール心臓シミュレータと大規模臨床データの革新的統合による心不全パンデミックの克服
領域②国民の生命・財産を守る取組の強化
大規模数値シミュレーションによる地震発生から地震動・地盤増幅評価までの統合的予測システムの構築とその社会実装
領域③産業競争力の強化
省エネルギー次世代半導体デバイス開発のための量子論マルチシミュレーション
領域③産業競争力の強化
「富岳」を利用した革新的流体性能予測技術の研究開発
領域③産業競争力の強化
航空機フライト試験を代替する近未来型設計技術の先導的実証研究
域③産業競争力の強化
次世代二次電池・燃料電池開発によるET革命に向けた計算・データ材料科学研究
領域③産業競争力の強化
環境適合型機能性化学品
領域③産業競争力の強化
大規模計算とデータ駆動手法による高性能永久磁石の開発
領域③産業競争力の強化
スーパーシミュレーションとAI を連携活用した実機クリーンエネルギーシステムのデジタルツインの構築と活用
領域④研究基盤
全脳血液循環シミュレーションデータ 科学に基づく個別化医療支援技術の開発