サブ課題D「太陽活動と惑星環境変動の解明」
サブ課題D「太陽活動と惑星環境変動の解明」
概要
太陽の磁気活動から惑星環境変動を包括的に理解し、太陽内部活動と惑星間空間ダイナミクスのつながりを明らかにします。さらに太陽磁気活動影響の解明と予測を目指します。太陽系探査の拡大、惑星形成論の進展、物質科学・地質学的研究により明らかとなってきた地球・月・惑星の多様な姿について、惑星内部・表層大気に対する高解像度連続体力学数値シミュレーションを実現させ、これらの形成進化の統一的な理解を目指します。
本課題における目標・手法
太陽周期活動の第一原理シミュレーションを世界で初めて実現し、太陽物理学と地球電磁気学の連携により太陽内部と惑星間空間を結合した太陽・太陽圏包括モデルを構築します。
火成活動とプレート・テクトニクスを伴う3次元球殻マントル対流シミュレーションによって月と地球のマントル進化をどのように支配するかを解明します。火星大気の鉛直熱対流を解像した全球シミュレーションによって火星気象における鉛直対流の役割を解明し、さらに金星大気の高解像度計算も実行します。非弾性回転球殻対流モデルを用いた高解像度長時間計算によってガス惑星大気に特徴的な縞状構造と帯状ジェット流の生成維持機構を明らかにします。
実施体制
名古屋大学、千葉大学、東京大学、神戸大学、京都大学および国内14連携機関
研究総括:堀田 英之 (千葉大学大学院理学研究院 准教授)
本課題協力者の成果より (萌芽的課題3)
プレートテクトニクスの3次元モデル (Ogawa et al.)
上面が地表面で、この面における粘性率の分布とプレートの速度分布(矢印)を示す。手前の鉛直 断面に、この面内の温度分布を示す。計算領域のサイズは東西・南北に12000 km、深さは3000 km。
太陽ダイナモと太陽対流層の世界最高精度シミュレーション(Hotta et al. 2016, 2019)
(左) 太陽全球ダイナモシミュレーション
(右)太陽対流層の底から太陽表面までを全て含んだ世界で初めてのシミュレーション