1 線形方程式の解法の選択
2 参考文献および参考書の記述
線形方程式, >>> 実対称/複素エルミート, >>> 正定値 >>> CG 法
線形方程式の真の解をと置く. この時, 2次関数
は, を満たす. そこで, 2次関数の最小化問題
を(反復法で)解くことで, 線形方程式の解を得ることを考える.
最小化問題(1)を解く単純な反復法として, 適当な初期近似解に対し,
を繰り返すアルゴリズムが考えられる. このアルゴリズムは逐次最小化法とよばれ, 1次元最小化の係数はとして容易に計算出来る.
探索方向ベクトルの設定によって様々な逐次最小化法が存在するが,
のようににおけるの最急降下方向に選ぶのが最も自然な方法であろう. この方法は最急降下法と呼ばる. 最急降下法は目的関数が単調に減少し, 直感的には優れた方法ではあるものの, 計算精度および収束性の面から実用的でないことが知られている.
一方, 一般の逐次最小化法で得られる近似解はアフィン空間
に属する. ここで, 逐次最小化法(の探索方向ベクトル)に適当な修正を加えることで, アフィン空間上で目的関数の最小化をすることを考える. 証明は割愛するが, 探索方向ベクトルに対し,
を仮定すると, 以下が成り立つ.
このように逐次最小化法の探索方向ベクトルに対し(2)の条件を課すことで改良した方法を共役方向法と呼ぶ.
最急降下法に基づく共役方向法として,
と設定する方法を共役勾配法(Conjugate Gradient法)と呼ぶ. また, CG法のはそれぞれ,
のように変形出来る.
初期近似解を, 対応する初期残差をと置く. また, Krylov部分空間
の基底を列に持つ行列をと置く. この時, 一般に, Krylov部分空間法の反復目の近似解および対応する残差は,
と書ける. ここで, である. 基底の生成アルゴリズムおよびベクトルの設定法によって各種のKrylov部分空間法は導出される.
CG法は, Lanczos原理に基づき基底を, またベクトルはRitz-Galerkin条件
に基づき設定される.
行列がエルミート行列であることに注目すると, Krylov部分空間(3)の正規直交基底は, Gram-Schmidtの直交化に基づき,
ここで, 行列を三重対角行列
と置くと, Lanczos原理の行列表現
を得る. ここで, とする.
準備中
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