素核宇宙融合レクチャーシリーズ 第6回「Monte Carlo approach to string/M theory」
資料
研究会について
- 講師:
- 花田政範(KEK)
- 日時:
- 2012年6月18日(月)13:30から
2012年6月19日(火)10:00から - 場所:
- 筑波大学計算科学研究センター ワークショップ室
新学術領域研究「素核宇宙融合による計算科学に基づいた重層的物質構造の解明」では、素粒子、原子核、宇宙物理の分野間の融合を目指しています。その一環として、各分野の基礎知識をその分野の専門家に講義していただく「素核宇宙融合レクチャーシリーズ」を企画しました。
今回はその第6回として、花田政範氏(KEK)に超弦理論やM理論の基礎とモンテカルロシミュレーションについて講義をしていただくことになりました。以下が講義の概要です。
超弦理論やM理論は矛盾のない量子重力理論の有力な候補であるが、いまのところ摂動論的な定義しか確立されていない。1990年代後半にある種の超対称ゲージ理論を用いた超弦理論の非摂動的な定式化がいくつか提唱されたが、それらが本当に超弦理論を記述しているかを確かめるためには超対称ゲージ理論の非摂動的な性質を調べる必要がある。そのためには格子ゲージ理論の場合と同様にモンテカルロシミュレーションが非常に強力な道具になると期待されるが、超対称ゲージ理論を格子に載せることは理論的に簡単ではなく、一筋縄ではいかなかった。しかし、2002年のKaplan-Katz-Unsalの仕事を契機に研究が大きく進展し、(格子以外の手法も活用することで)超弦理論を記述すると期待される超対称性ゲージ理論は全て数値シミュレーション可能であるという認識が確立した。
本講義ではこのような状況を概観し、超対称ゲージ理論を用いるとなぜ超弦理論が記述できると期待されているのか、具体的にどのようにして超弦理論の性質が分かるのか、これから何をしていったらいいのかについて、非専門家にもイメージが湧くように解説を試みたい。この分野の重要な結果の全てを解説することは時間的に不可能なので、特に以下の点を中心に解説したい:
(1) ゲージ/重力対応(AdS/CFT対応)とは
(2) 超対称格子ゲージ理論はなぜ難しいか(fine tuning problem, sign problem)
(3) 超対称ゲージ理論のシミュレーション方法
(4) シミュレーション結果と超弦理論の比較
(5) ABJM理論とM理論(2008年の”membrane mini-revolution”以降の進展)
このレクチャーシリーズは、分野を学び始めた大学院生や他分野(素粒子、原子核、宇宙物理の他の専門家)の研究者など非専門家向けのものです。最終的には、シリーズをまとめて「素核宇宙融合教科書」を作成したいと考えています。
また、初日の夜に、参加者の親睦を深めるために夕食会を予定しています。皆様ぜひご参加ください。
参加申込み
参加希望者は、下記フォーマットに記入の上、参加申し込み先にお送りください。
締め切り:6月1日
参加申し込み先:船木靖郎
Email:funaki [at] riken.jp(atを@に変えてください)
----参加申込書----
名前:
所属(職/学年):
講師を囲んだ夕食会(6/18夜)への参加(費用は1500円程度):有 無
所属住所:
自宅住所:
参加日程:
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この素核宇宙融合レクチャーシリーズ今後も継続していく予定です。テーマや内容に関する要望、あるいはボランティアで講師をやって頂ける方は、
青木慎也 saoki [at] het.ph.tsukuba.ac.jp
までご連絡ください。
新学術領域研究
「素核宇宙融合による計算科学に基づいた重層的物質構造の解明」
領域代表 筑波大学 青木慎也