データグリッド運用

筑波大学計算科学研究センターにおいて、格子QCD基礎データを共有するためのデータグリッドであるILDG/JLDGの運用を行っています。
格子QCDは、陽子や中性子といったハドロンを構成するクォーク間にはたらく“強い力”の理論「量子色力学(QCD)」をスーパーコンピュータによる数値シミュレーションを用いて計算する方法です。これは、クォーク質量などの基礎パラメータを決定し、新たな現象を予言します。
格子QCDの計算結果である配位データは、データグリッドによって国内外の研究者と共有されています。JLDG(Japan Lattice Data Grid)は、産業技術総合研究所と筑波大学が共同で開発した Gfarm によって構築された広域分散型ファイルシステムです。現在、筑波大学、高エネルギー加速器研究機構、京都大学、金沢大学、大阪大学、広島大学の6機関を専用ネットワークで接続しています。利用者は組織に属するサーバにアクセスするだけで、ファイルシステム上のファイルを、所在を意識することなく自由に利用することが可能です。
JLDG は、配位データを世界規模で共有するためのデータグリッド ILDG(International Lattice Data Grid)の一つの地域グリッドとしての機能も併せ持っています。ILDGは、JLDGに加えてUKQCD(イギリス)、LDG(ドイツ、フランス、イタリア)、USQCD(アメリカ)、CSSM(オーストラリア)の各地域グリッドを接続しており、世界中の研究者が日々JLDGにアクセスしています。
また、JLDGを原子核物理や宇宙物理の分野にも拡張する計画があります。

構成メンバー

吉江友照 Tomoteru Yoshie 筑波大学計算科学研究センター 准教授
建部修見 Osamu Tatebe 筑波大学計算科学研究センター 准教授
天笠俊之 Toshiyuki Amagasa 筑波大学計算科学研究センター 准教授
浮田尚哉 Naoya Ukita 筑波大学計算科学研究センター 研究員
松古栄夫 Hideo Matsufuru 高エネルギー加速器研究機構計算科学センター 助教
石川健一 Ken’ichi Ishikawa 広島大学大学院理学研究科 准教授
外川浩章 Hiroaki Togawa 大阪大学核物理研究センター 助教
武田真滋 Shinji Takeda 金沢大学理工研究域 助教
駒 佳明 Yoshiaki Koma 沼津工業高等専門学校教養科 講師

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